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2021年度秋季研究会(2021年11月21日)
2021年度秋季研究会【11月21日@オンライン】
・日時:2021年11月21日(日)13:00~16:00(開場:12:50)
・形式:Zoomを用いてのオンライン開催(※対面では行ないません。)
■プログラム
・自由論題
小谷稔氏(京都大学・院)「植民地朝鮮社会における農業学校の位置」
コメンテーター:松本武祝氏(東京大学)
・書評会
林采成氏(立教大学)『東アジアのなかの満鉄:鉄道帝国のフロンティア』(名古屋大学出版会、2021年)。
評者:沢井実氏(南山大学)
・司会:湊照宏(立教大学)
■自由論題要旨
本報告の目的は、植民地朝鮮における中等実業教育機関の一つである農業学校が、植民地社会や農民にとってどのような意味を持ったのかについて教育社会史的に明らかにすることである。近年、主に韓国において、植民地朝鮮の実業学校の制度展開や教育内容、入学競争、学生の進路などに関する研究が活発になりつつある。本報告は、こうした研究を踏まえつつ、植民地朝鮮社会における農業学校の位置付けをより浮き彫りにするために、従来個別の学校研究などで用いられてきた、学校と地域社会との結合の様相を見る視点、および学校に通えなかった人(通うことを諦めた人)の存在も含めて分析する視点を取り入れる。
具体的に本報告では、①農業学校の展開とその概要を整理すること②地域社会での各種の農業学校昇格運動(農業補習学校からの昇格運動、乙種から甲種への昇格運動)の内容について明らかにすること③学校への入退学の様相と生徒の進路について分析・考察すること、の三点を課題とする。
史料としては、『朝鮮諸学校一覧』など各種の学校統計資料、「朝鮮総督府官報」掲載の学校統計や入学募集要項、『東亜日報』『朝鮮日報』などの新聞史料、実業学校(農業学校)長会議資料のほか、戦時期の忠清南道・公州公立農業学校で書かれた生徒の日誌を部分的に用いる予定である。